西東京稲門会俳句サロン

★世界の文芸の中で最短詩型(17文字)の文学ジャンル「俳句」をサロン形式で楽しんでいる「西東京稲門会俳句サロン」は、西東京稲門会のメンバーに東久留米、川越稲門会の俳句愛好者が加わり、句会活動3年を経過しましたが、24年12月例会から小平稲門会、25年6月例会から東村山稲門会も参加、多摩地区の5稲門会友好クラブとして俳句道に精進することになりました。

★西東京稲門会俳句サロン代表、松尾良久さん(34経済 俳句結社「雪解」会員)の了解を得て、小平稲門会ホームページに本コーナーを開設しました。                                               松谷富彦(36文 俳句結社「春耕」同人)

第57回俳句サロン高点句
(2014年10月句会)

[調布市深大寺の十三夜観月会]
                                                      (2014年10月6日 撮影:松谷富彦)

平成26年10月10日
兼題 身に入む 柿 ほか当季雑詠

陸前の瓦礫の庭に秋桜  高橋 薫
媼小さし大座布団の月見かな 松尾良久 結社「雪解」
柿たわわ謡洩れくる屋敷林 藤田貞夫
塔多き斑鳩の里柿日和  河村洋子 結社「風の道」
秋茜旧知のやうに慕ひ寄り 三枝 博 結社「雪解」
身に入むや母の味引く妻のぬた   小滝條路
白壁や柿の実熟し夕陽射す 石井三舟
縋れるを楽しむごとく乱れ萩  松谷富彦 結社「春耕」
鎌倉の寺なる柿も柿の色  金子まさお
にぎにぎを開けば木の実あたたかし  石井唯夫
廃村の寺まで続き曼珠沙華  小嶋長閑
藪をこぎ衣服全身草虱  木下石蕗
背の子の寝入りて野菊落しけり 高杉風至 結社「百鳥」
故郷のワイン届きし夜長かな 梶原松葉
身に入むや吾山育ち悲報次ぐ  金子おくに
後の月独りの窓辺満たしけり 渡辺千恵

次回 十一月十四日(金) 田無おあしす  

兼題 酉の市 時雨一切 ほか 計五句 


第56回俳句サロン高点句 
(2014年9月句会)

[あきる野市二宮神社・生姜祭]
                           [神輿が急傾斜の石段を駆け上り本殿へ]    (2014年9月9日撮影:松谷富彦)


平成26年9月12日
兼題 水の秋 草の花 ほか当季雑詠

下刈りのふと手を止めし草の花                      高橋 薫
仰臥して庭の明るさ獺祭忌 松尾良久 結社「雪解」
萩咲いて大悲願寺に白こぼれ
藤田貞夫
残したき和語の一つや衣被
河村洋子 結社「風の道」
稲雀挙り金波に呑まれけり
三枝 博 結社「雪解」
親子して原っぱが好き草の花 小滝條路
天に月地に鈴虫や手に徳利
石井三舟
つま先に踏めば凹みし虚栗 松谷富彦 結社「春耕」
れんげしょうま女坂より階へ 金子まさお
寝ころびし仔牛の鼻や草の花 石井唯夫
手で掬ふ山の恵みや水の秋 小嶋長閑
散歩終えコップに活ける草の花
木下石蕗
筏師のさす棹しなふ水の秋          高杉風至 結社「百鳥」
ひぐらしや魂燃やすとも鎮むとも 梶原松葉


次回 十月十日(金)午後二時 田無おあしす 

兼題 身に入む 柿一切 ほか計五句 


第55回俳句サロン高点句 
(2014年7月句会)

[東京都町田市立薬師池公園の大賀蓮]
                                                    (2014年7月22日撮影:松谷富彦)


平成26年7月11日
兼題 汗 土用 ほか当季雑詠


かぶり付く西瓜に作法無かりけり 小滝條路

木道の風に色あり花菖蒲  松尾良久(結社「雪解」)

履き変えて運動靴や浴衣の子 高杉風至(結社「百鳥」)

面脱ぎし少女剣士の汗凛々し 松谷富彦(結社「春耕」)

白雨去り傘が一本残りけり 石井三舟

さくらんぼ蕊を枝折に読書かな 木下石蕗

スタップ細胞はあります闇の蛍かな 小嶋長閑

汗流すなりわいでなし喜寿過ぎて 金子まさお

壊されし家跡狭し濃あじさい 梶原松葉

夏出水水草もがく早瀬かな 石井唯夫

玉の汗街道を練る渡御の波 三枝 博(結社「雪解」) 

玉の汗谷風癒す剣沢 藤田貞夫

国宝の天守の威容雲の峰 河村洋子(結社「風の道」)

椰子の実の離るる海辺夏の月 高橋 薫

松籟はかすかに離島の土用波 滑志田流牧

   
次回 九月十二日(金) 田無おあしす 

兼題 水の秋 草の花  ほか五句 


第54回俳句サロン高点句 
(2014年6月句会 於:田無「オアシス」)

[サボテンの花]
                                                           (撮影:松谷富彦 2014.6.2~3.)


平成26年6月13日
兼題 山梔子 梅雨一切 ほか当季雑詠

合掌の村にも遅き早苗あり         高橋 薫

寝袋に登頂の夢明け易し          松尾良久

梅雨に入る屋根師の架けし長梯子      藤田貞夫

くちなしの花門跡の尼僧かな       河村洋子

世の乱れ糺すがごとく梅雨激し        三枝 博

今の世にお下がりは死語更衣       小滝條路

この空をたどれば故郷田植えか な      石井三舟

ででぽぽと鳴く雉鳩や梅雨に入る      松谷富彦

紫陽花や殿を行く女坂          金子まさお

庭石の黒光りして梅雨に入る       石井唯夫

梔子やそっと手渡す恋の文        小嶋長閑

おとなしく聞きゐる学童空襲忌       木下石蕗              

痛まねど進む病や梅雨深し        高杉風至

くちなしや祖母に連れられ貰ひ風呂      梶原松葉

 雨足に梔にほふ根津の坂         滑志田流牧


次回 七月十一日(金) 田無おあしす 

兼題 土用  汗 ほか計五句 


第53回俳句サロン高点句 
(2014年5月句会 於:田無「オアシス」)

[都立浅間山公園(府中市)の草花]
ムサシノキスゲ(武蔵野黄菅) ホウチャクソウ(宝飾草) キンラン(金蘭) ギンラン(銀蘭)
タツナミソウ(立浪草) ウグイスカグラ(鶯神楽) ハリエンジュ(針槐) ハンショウヅル(半鐘蔓)
                                                         (撮影:松谷富彦 2014.5.8.)


平成26年5月9日
兼題 若葉 薄暑 ほか当季雑詠

江の電を降りて若葉の極楽寺   河村洋子

名刹や若葉に浮かぶ大甍    石井三舟

柿若葉眩しすぎたり忌み籠り    梶原松葉

水場にて早めの昼餉若葉風    高杉風至

わかばより出でて若葉へ四十雀    滑志田流牧

街薄暑入院前の予備検査     木下石蕗

子らの吸ふたかんなの皮紅深し   三枝 博

へつらひもうぬぼれもなし風薫る   小嶋長閑

母の日に藤のぞうりを初月給    高橋 薫

さり気なく命を託す落し文      松谷富彦

人ごみの去りて一息夕牡丹     小滝條路

牡丹のくずれ落ちたり苔の石    石井唯夫

郭公や僧正ケ谷大移り      松尾良久

筑波背に麦秋の道一万歩      金子まさお

長谷寺や登廊越しに緑さす     藤田貞夫



次回

  六月十三日 二時開場 田無おあしす

  兼題  梅雨一切 梔子の花  ほか計五句  


第52回俳句サロン高点句 
(2014年4月句会 於:田無「オアシス」)

三つ葉躑躅 ペチコート水仙 枝垂桜(左)&染井吉野 連翹 石楠花
                                                     (あきる野市内で4月8日写す 撮影:松谷富彦) 


平成26年4月11日
兼題 目借時 雪解 ほか当季雑詠


いづこより舞い降りきたる山桜         高橋 薫

塩の市立ちたる昔村雪解        松尾良久

花冷えに灯油買い置き思案どき       藤田貞夫

はにかみて稚児の行列花祭         河村洋子

友送る春のホームの燈も潤み        三枝 博

花見酒西郷どんの渋っ面        小滝條路

豆腐屋に句碑立つ根岸竹の秋      石井三舟

熊蜂の重きを浮かす翅の音        松谷富彦

菜の花や坂上の雲空に溶け         金子まさお

蹲る猫の薄目や目借時         石井唯夫

墨堤の句碑に一片花の舞ふ        小嶋長閑

ロッキーの雪解や川を膨らまし       木下石蕗

友の足老いても早し木の芽道       高杉風至

駒込のあまたの桜訪ねけり        金子おくに



次回  五月九日(金) 田無おあしす

兼題  若葉 薄暑 ほか計五句 




第51回俳句サロン高点句 
(2014年3月句会 於:田無「オアシス」)

青軸性一重白梅「月の桂」 薄紅梅「豊後」 紅梅「紅千鳥 山茱萸(さんしゅゆ)
14.3.9.撮影(都立小金井公園) 14.3.15.撮影(小平市内) 14.3.9.撮影(都立小金井公園) 14.3.9.撮影(都立小金井公園)
                                                                   (撮影:松谷富彦)


平成26年3月14日

兼題 鳥帰る 春宵 ほか一切


梅が咲いたねああそうだねと通夜の朝    高橋 薫

 姫川に沿ふ塩の道鳥帰る        松尾良久

春光や川に抗ふ老漁師         藤田貞夫

つらつら椿島をちこちに天主堂       河村洋子

啓蟄やともに早起き老夫婦        三枝 博

初恋も失恋も秘め卒業す         小滝條路

海くれし空うすずみに鳥帰る        金子おくに

春色のバッグ売り場にためらいや       石井三舟

憑きものに憑かれしごとく鳥帰る       松谷富彦

春宵や夢二の描く薄い眉         金子まさお

白鳥の引きし近江の湖静か        石井唯夫

末裔に何も残せず春寒し         小嶋長閑

行く春や子規の短歌の鳥の歌       木下石蕗 

武蔵野はわが終の地ぞ鳥雲に       高杉風至

次回 四月十一日(金) 田無おあしす 

兼題 雪解  蛙の目借時  



第50回俳句サロン高点句 
(2014年2月句会 於:田無「オアシス」)

都立武蔵野の森公園 都立武蔵野の森公園 鈴懸の木の実(国立天文台・三鷹) 無患子(都立神代植物園)
白梅(国立天文台・三鷹) 紅梅(都立神代植物園) 万作(都立神代植物園) 万作(都立神代植物園)
                                                          (撮影:松谷富彦 2014.2.18.)


平成26年2月14日

兼題 節分 梅一切

アダージョに一枝づつ梅開きけり       三枝 博

冴え返る静かに惚けし古き友         小滝條路

白梅や湯宿へ坂を登り来て         金子おくに

今年また同じところに蕗の薹         松谷富彦

約束の地に約束の蕗の薹          河村洋子

雪晴れや近くて遠き投票所         小嶋長閑

節分の狭庭の梢うるむなり          石井唯夫

酒粕にうっすら焦げ目春の雪         高杉風至

薄氷や微かに揺れて鯉の影         石井三舟

焼き牡蠣にレモンひとふり春の雪        木下石蕗

主なくて古民家守る梅林          藤田貞夫

願ひ込め絵馬重なりぬ梅三分        金子まさお

春泥の登山靴脱ぐ足湯かな         松尾良久


次回兼題:春の宵 鳥帰る ほか計五句 




第49回俳句サロン高点句 
(2014年1月句会 於:田無「オアシス」)

蝋梅(素心蝋梅) 寒牡丹 座禅草の若芽 梅(古城の春)
都立野川公園で(1.11.撮影) 旧岩崎邸公園で(1.4.撮影) 都立小金井公園で(1.2.撮影) 都立野川公園で(1.11.撮影) 都立小金井公園で(1.11.撮影)
(撮影:松谷富彦)

     兼題 新年一切     

新年の子らも帰りて靴ひとつ         高橋 薫

      初旅や登山の杖をたよりとす        松尾良久(所属結社 雪解)

羽子板の汐汲み娘横を向き         藤田貞夫

      白朮火をおそるおそると回しけり        河村洋子(所属結社 風の道)

オリンピック見ませうと賀状来る        梶原松葉

      柏手に誓ひを乗せて初詣          三枝 博(所属結社 雪解)

初笑ひ昨夜の主菜はや忘れ        小滝條路

ひみつほご拙速なりや去年今年       金子おくに

時雨るるや微動だにせぬ警備員        石井三舟

      初春や大川端の触れ太鼓         松谷富彦(所属結社 春耕)

白菜の縛られてをり畑道           金子まさお

黄金色のお日様家族福寿草        石井唯夫

五十年くせ字直さず初便り          小嶋長閑

 北京ダックうまし俎始めかな          木下石蕗          

            湯の町の閉ぢし射的屋冬の月         高杉風至(所属結社 百鳥)


次回 2月14日(金) 田無おあしす 

兼題 節分 梅一切  


第48回俳句サロン高点句 
(2013年12月句会 於:田無「オアシス」)

兵庫県姫路城 兵庫県和田山の雲海 和田山の雲海
                                            (撮影:石井唯夫)

兼題 山眠る 着ぶくれ ほか
     

 すぎひのき間伐終えて山眠る       高橋 薫

     念入りに地図読む峠暮早し       松尾良久 

   咲く前に鳥啄めり冬椿        藤田貞夫

 大脳を空っぽにして日向ぼこ       河村洋子

 冬紅葉明るき角や道しるべ        梶原松葉

着ぶくれて立居にゆとり山の神       三枝 博

 着ぶくれて公園デビュー婆ちゃん子    小滝條路

牡蠣鍋や湯気の向こうに瀬戸の海     石井三舟

  先生の数だけ綽名漱石忌        松谷富彦

   山眠る太古の夢を抱きこんで       金子まさお

淋しさを閉じ込めて寝る布団かな       石井唯夫

 着ぶくれて犬引く主の生欠伸       小嶋長閑

 背の影を眺むる小春日和かな       木下石蕗

燃えしぶる煙のつつむ落葉籠        高杉風至

  晦の水まんまんと百合鴎        滑志田流牧

隠すことなにもなくして十二月        金子おくに

次回 1月10日(金)田無おあしす 午後2時開場

兼題 新年一切 ほか計五句



第47回俳句サロン高点句 
               (2013年11月句会 於:田無「オアシス」)

[金鳳山平林寺の紅葉](埼玉県新座市野火止)
                                                                      (撮影:石井唯夫)

兼題 立冬 返り花 ほか

風に乗する土器投げや谿紅葉       松尾良久

姥捨の棚田を照らす冬の月        藤田貞夫

お地蔵の褪せし前垂れ冬めける       河村洋子

吊るし柿七条ほどや冬に入る        梶原松葉

返り花ふと目を止めて足止めて       三枝 博

木の葉散る吾選びたき尊厳死       小滝條路

行きすぎて名を思い出す返り花       金子おくに

立冬や背筋伸ばして袖通す        石井三舟

間引菜は抜けばたちまちへたりけり      松谷富彦

湯豆腐は四角四面で昆布に座す      金子まさお

夕富士の光を残す返り花         石井唯夫

風抜ける破れ生垣返り花         木下石蕗

手を腰に列車見てをり蓮根掘        高杉風至

紅葉は雪崩のごとく神戸岩          滑志田流牧

透き通る里の鐘の音今朝の冬        小嶋長閑


次回 12月13日(金)田無おあしす

 兼題 山眠る 着ぶくれ ほか計五句




第46回俳句サロン高点句
(2013年10月句会 於:田無「オアシス」)

[西東京稲門会BBQ大会](2013.9.28.西東京いこいの森公園で
                                                      (2013.9.28.撮影:松谷富彦)

兼題 新蕎麦 雁渡し ほか

寺小屋に向かう夕陽に秋の虹       高橋 薫

遭難のケルンに沢の野菊挿す        松尾良久

野菊咲く牛飼詩人生家跡         藤田貞夫

秋風や物乞ひ座る橋の上         河村洋子

糸瓜棚下がるも置くも子規の庵       梶原松葉

雁渡し友の便りの届きけり          三枝 博

新蕎麦や序で参りの深大寺         小滝條路

新蕎麦や路地の静かさ神楽坂        金子おくに

後ろからそっと目隠し金木犀         石井三舟

ゆるキャラの案山子と遊ぶ雀かな       松谷富彦

酔夢とはよき友の号秋の暮          金子まさお

立冬の浅間の煙り真横なり         石井唯夫

秋冷やいよよ離せぬ虫眼鏡         小嶋長閑

凩の夜や老猫は膝の上          木下石蕗

防人の船出したる津雁渡し         高杉風至

さざ波の志賀の都や雁渡し          滑志田流牧


次回 11月8日(金)田無おあしす 2時開場 
兼題:立冬・返り花 ほか計5句



第45回俳句サロン高点句
(2013年9月句会 於:田無「オアシス」)

[玉川上水の草花]
ヒガンバナ(曼珠沙華) ツルボ(蔓穂) ワレモコウ(吾亦紅) キンミズヒキ(金水引草) クリ(栗)
                                                    (2013.9.18.撮影:松谷富彦)

兼題 月 秋刀魚 ほか

 ひぐらしや質屋も湯屋も裏通り       高杉風至

蕪村像ビートたけしに似て秋思      松尾良久

秋刀魚焼く指白きひと安房の宿      藤田貞夫

火を入れること惜しきほど新秋刀魚     河村洋子

 荒草や主病む家の酔芙蓉       梶原松葉

灼熱の昼の火照りや赤い月       三枝 博

月まどか遥かに響くドビユッシー      小滝條路

そらんじる詩あり男の秋刀魚かな      金子おくに

仰のけに大往生の油蝉         石井三舟

廃村の火の見櫓に大西日        松谷富彦

友逝きて心に隙間秋の風        金子まさお

月白の渓の深さを刻みけり        石井唯夫

月今宵少し気張りし吟醸酒       小嶋長閑

負けん気は親ゆずりなり木の実独楽    木下石蕗

七輪の火をなつかしみ秋刀魚焼く      滑志田流木


次回 10月11日(金)田無おあしす 2時開場 
兼題:雁渡し・新蕎麦 ほか3句


第44回俳句サロン高点句
(2013年7月句会 於:田無「オアシス」)

[点盛り休憩に金子正男(まさお)さん持ち込みのメロンを賞味する面々](撮影:松谷富彦)

兼題 浴衣 雲の峯 木槿 ほか(7月12日)

虫干や胸をどらせし文の束         高杉風至

夏の月渓谷青く静まれり          高橋 薫

一朝の夢咲き継ぎて白木槿         松尾良久

畑仕事ごわつく作務衣油照         藤田貞夫

雲の峰一投に沸く甲子園          河村洋子

フイアンセの浴衣縫う子や尺貫法       梶原松葉

立ち去れば又鳴き交す蛙かな        三枝 博

吾妻橋浴衣の馴染む家族連れ        小滝條路

美人の湯夢二偲ばる蛍かな         金子おくに

浴衣着て靴履き踊る孫娘          石井三舟

箸の癖四角四角に冷奴          松谷富彦

雲の峰青春遥か五十年          金子まさお

夕映えに仁王立ちなる雲の峰        石井唯夫

おくれ毛の揺れて薄暮の浴衣かな      小嶋長閑

角帯に雪駄をそろへ藍浴衣        木下石蕗

次回 9月13日(金)田無おあしす 2時開場 
兼題:月一般・秋刀魚 ほか3句


第43回俳句サロン高点句
(2013年6月句会 於:田無「オアシス」)

[花菖蒲](東村山市北山公園菖蒲苑で2013.6.18.松谷富彦撮影)

兼題 白南風 紫陽花 麦酒 ほか(6月14日) 

あじさいのしずく水面をそめにけり       高橋 薫

祭壇に登山靴あり山開き          松尾良久

柏葉の紫陽花重く地につけり        藤田貞夫

どくだみの花にふさがれ勝手口        河村洋子

里山の畦整ひてあじさゐ花         梶原松葉

ビアガーデン夜空に浮ぶ豪華船       三枝 博

蕎麦屋でも主婦の一団先ずビール      小滝條路

紫陽花の嫌いな君が傍らに         金子おくに

紫陽花に紫陽花色の雨雫         石井三舟

一筋を通して咲けり鉄線花         松谷富彦

白南風や父母逝きし家雨戸開け       金子まさお

白南風や嶺の蒼さを磨き上げ        石井唯夫

一人居の一輪差しの手毬花         小嶋長閑

摘芯の苦瓜ちからたくわえて         木下石蕗

白南風や手送りに漁夫荷を揚ぐる       高杉風至

次回

  7月12日(金) 田無おあしす 2時開場

  兼題  雲の峰 木槿 浴衣 ほか2句




第42回俳句サロン高点句
(2013年5月句会 於:田無「オアシス」)

キンラン(金蘭) キンラン 矢切の渡し
ラン科キンラン属 (2013.4.28.撮影) ラン科キンラン属 (2013.4.28.撮影) 2010.1.17.撮影
                                                          (撮影:松谷富彦)
兼題 夏めく 新茶 衣替え 当季雑詠(5月10日)

          夏めいて花屋を覗き庭仕事          高橋 薫          

ちゃぶ台に女三代新茶汲む         松尾良久

夏めくや家庭菜園活気だつ         藤田貞夫

渡し舟の櫓軽やかに夏兆す          河村洋子

道灌の墓を訪ひ来て濃山吹         梶原松葉

代田水真白き雲と青い空          三枝 博

何着ても映えないをのこ更衣          小滝條路

白磁わん駿河ひろがる新茶哉         金子おくに

手を入れて青に染まるか五月晴れ       石井三舟

青梅の尻ふっくらと紅させり          松谷富彦

衣替たんすの匂ひ袖にこめ          金子まさお

土を打ち蚯蚓暴れる狭庭かな         石井唯夫

ででむしを見詰める馬の長睫毛         小嶋長閑

聖五月野鴨のつがい歩み過ぐ        木下石蕗

次回

  6月7日(金) 田無おあしす 2時開場

  兼題 白南風 紫陽花 麦酒 ほか2句


第41回俳句サロン高点句
(2013年4月句会 於:田無「オアシス」)

[ボタン(牡丹)](2013.4.18.東京都殿ヶ谷戸庭園)
                                                          (写真:松谷富彦)

兼題 春灯 野遊び 花 当季雑詠(4月12日)

天空に花をとどけよ春の風         高橋 薫

花吹雪骨董市に仏立つ          松尾良久

千本の競ふ醍醐の桜かな         藤田貞夫

桜蘂降る戦没者慰霊の碑         河村洋子

春燈や子の婚無事に終はりたり       梶原松葉

佳き人の足取り軽し春燈下         三枝 博

風光るみなピカピカの一年生        小滝條路

丈短かかがめば花も野辺の春        金子おくに

どこまでも線路まっ直ぐ春うらら        石井三舟

花びらのやや自堕落に紫木蓮       松谷富彦

花筵独りぼっちのおままごと         金子まさお

野遊びや払ひし肘の陽の匂ひ        石井唯夫


次回

  五月十日() 田無おあしす 2時開場

  兼題  夏めく 新茶 衣替え ほか二句


第40回俳句サロン高点句
(2013年3月句会 於:田無「オアシス」)

[この日の投句69句を選句する出席メンバー(西東京市「田無オアシス」で]

兼題 啓蟄 水温む 木の芽 当季雑詠(3月8日)

 啓蟄や虫厭ふ子も病癒ゆ      梶原松葉

啓蟄や地下乗り換えは迷路めく     木下石蕗

啓蟄やアルジェ砂漠の虫いかに     金子まさお

啓蟄や蜥蜴のしっぽはや置かれ     石井唯夫

 啓蟄や母なる大地動き初む      河村洋子

水温む化粧乗りよき今朝の顔      金子おくに

山仕事香る木の芽に手を止める     高橋 薫

  一列の集団下校木の芽風      小嶋長閑

春眠を乗せて電車が揺れて行く     石井三舟

マスク越し笑顔の会釈春の風      松谷富彦

秩父嶺の谷は笑窪か山笑ふ      三枝 博

つちふるや招かざるもの数多連れ     小滝條路

安曇野を縫ふ塩の道鳥帰る      松尾良久

啓蟄や地下道出でて真砂女展     藤田貞夫

次回

2013年4月12日 於 田無オアシス 午後2時開場

兼題 春燈 野遊び ほか当季雑詠(全5句提出


第39回俳句サロン高点句
(2013年2月句会 於:田無「オアシス」)

[東京都殿ヶ谷戸庭園(2013.1.27.撮影)]
ロウバイ(蝋梅) つくばい(蹲踞)&ししおどし(鹿威) 雪除け(藁ぼっち) 弁天池と雪吊
                                                               (撮影:松谷富彦)

兼題 立春 冴返る 下萌ほか(2月8日)

出航の汽笛はるかに春立ちぬ       松尾良久

冴え返る菊坂下の井戸の端        藤田貞夫

冴返る告解室の重きドア         河村洋子

胴上げのラガーの足元下萌ゆる      梶原松葉

下萌の大堤防を駆け登る         三枝 博

春寒やまた名優の去る梨園        小滝條路

春きざす初めて取りし万馬券        小嶋 弘

サクサクの音たのしけり霜柱         金子おくに

種袋蒔く順番を思案して         木下石蕗

落ちそうで落ちない屋根の残り雪      石井三舟

蹲踞の水面やはらぎ日脚伸ぶ       松谷富彦

朝市のさざえ黙して桶の中         金子まさお





第38回俳句サロン高点句
(2013年1月句会 於:田無「オアシス」)

                                                (2013年1月10日 撮影:松谷富彦)

  雪だるま昭和のポスト並びをり    金子まさお

     河豚堤燈皮一枚のふくれ面    松谷富彦

  太文字のほど良きかすれ筆始    河村洋子

  根津谷中黙して歩む寒に入る    金子おくに

  荒海に負けぬ越前野水仙     藤田貞夫

  大絵皿河豚刺取るをしばし止め   石井三舟

  去年今年使ひ慣れたる虫眼鏡   小嶋 弘

  寒の水穂先自在の墨書かな    木下石蕗

  久々のふぐ雑炊やゆるむ頬     小滝條路

  振袖に成人の日の素直なり     梶原松葉

  立ち登るどんどの煙に明日を見る   三枝 博

  岬ごと揺れ止まざるよ野水仙     松尾良久

                               俳句サロン会員募集    

★毎月(第2金曜日)に西東京市の老人憩いの家「オアシス」(南町)で互選句会を楽しんでいます。
★西東京稲門会員を中心に川越・東久留米・小平各稲門会有志14名が現在のメンバー。俳句を始めようという方も歓迎します。
★詳しくは西東京稲門会俳句サロン代表、松尾良久(西東京稲門会副会長)まで電話(042-254-5980)
またはE-mail:iq044681@w2.dion.ne.jp へご連絡ください。



第37回俳句サロン高点句
(2012年12月句会 於:田無「オアシス」)

西東京稲門会俳句サロンの選句風景(田無老人福祉施設「おあしす」で)
2012年12月14日 撮影:松谷富彦
歳晩の砂新しき神鶏舎   
返し手の母の味する臼端餅   
福引券しかとにぎりて年の市  
雪吊を愛でて一服抹茶かな   
雪吊も百万石の気品かな   
雪吊の縄を飲み込む闇夜かな   
雪吊に男結びの縄固く   
奥多摩の石と見まごう浮寝鳥   
忙中閑浮き寝の鳥を数えをり   
寄り添ひてまどろむ昼の浮寝鳥   
十二月急くことはなし墨をする   
冬うらら志功版画の仏たち   
宮覆ふ糺の森の片時雨   












松尾良久(西東京「雪解」会員)
松谷富彦(小平「春耕」会員)
石井三舟(西東京)
梶原松葉(西東京)
河村洋子(東久留米
「風の道」同
石井唯夫(西東京)
木下石蕗(西東京)
金子おくに(西東京)
三枝博(川越「雪解」会員)
小嶋長閑(西東京)
金子まさお(西東京)
小瀧條路(西東京)
藤田貞夫(東久留米)


♪BGM:BRAGA[Angels Serenade]arranged by Pian♪
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